きんこん土佐日記
土佐弁について
高知県の土地は東西に長く、一言で土佐弁と言っても東と西ではかなりニュアンスが変わってきます。
作者自身は高知市のすぐ隣の吾川郡いの町というところで育ったので、きんこん家族のしゃべる言葉遣いや場面などは、主に高知市内からいの町あたりの雰囲気です。
標準語で「何しているの?」というセリフ、一般的な土佐弁では「何しゆうが?」になり、お年寄りなどは「何しゆうがぜ?」、さらにおじさんなどが使うきつめの土佐弁だと「何しよらあや?」になります。
高知の西の地区、幡多方面へ行くとまた雰囲気が変わり「何しようが?」となります。イントネーションも独特な「幡多弁」といわれる言葉遣いです。
長年高知で暮らす作者でも幡多弁を使いこなすのは難しく、幡多弁のキャラが登場する際には言葉遣いに誤りはないか、現地の人に確認をとらなければなりません。
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登場人物のモデル
作者自身高知県で生まれ4世代同居の家庭で育ったので、キャラクター作りにおいてはやはり一緒に暮らした家族の影響が大きいです。
「よしき」「くにえ」の名前は、実在した祖父母・曾祖父母の名前をもじっています。よしきが夕刻に上半身裸で日本酒をあおる姿は昔の祖父そっくりですし、くにえの髪型や服装は、かつての曾祖母の面影からできています。
孫のたくみには自分自身の子供時代を投影することもあります。
そういった個人的な経験にプラスして、
街で現代のお年寄りや子供をたくさん観察し、「高知にようおりそう(よく居そうな)」キャラクター作りを心がけています。
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キャラクターの名字は
きんこん主人公の家族には、名字がありません。ある人にとってはキャラクターを自身の家族と思って読んでもらうもよし、またご仲の良い近所さんを想定してもらうもよし、読者それぞれの距離感で身近に感じてほしいと思い、あえて名字をつけていないのです。